くわしく見る
閉じる

沿革

ベタニヤホームが母子と共に歩んできた100年の歴史

1923年(大正12年)〜

関東大震災直後、東京都麻布区(現・港区六本木)のスペイン公使館の敷地内にて高齢者や母子の救護を開始。翌年、東京市本所区柳原町(現:東京都墨田区江東橋)に母子ホームと幼稚園(現:菊川保育園)を建設

大震災後の麻布緊急一時保護施設(1924年頃)

1930年(昭和5年)〜

宣教師であるエーネ・パウラスを迎え、ナースリー・スクール(保育施設)を開設。保育事業を展開し、今日の社会福祉法人ベタニヤホームの基礎が築かれた

ベタニヤホームの礎を築いた宣教師、エーネ・パウラス

1945年(昭和20年)〜

東京大空襲により施設が全焼。職員と母子家庭20数名が犠牲となった。翌々年の1947年には、アメリカに帰国していたエーネ・パウラスが再来日し、施設再建に奔走。墨田区柳原町に母子ホーム「本所ベタニヤ母子寮」を新設した

戦後の母子寮と菊川保育園(1950年頃)

1967年(昭和42年)〜

戦中、5階建て塔屋付きの「本所ベタニヤ母子寮」が竣工。当時の定員は30世帯であり、寮長を含む職員4名で母子支援にあたっていた

2020年(令和2年)〜

2019年より、本所ベタニヤ母子寮竣工から40年余経過し、施設内の老朽化や今後の社会的養護の枠組みの施設として新たな事業展開を見据えた建て替えを実施。翌2020年、「母子生活支援施設ベタニヤホーム」竣工。食支援や里親支援などの事業展開を開始

創設100年を目前にして新しくなった「母子生活支援施設ベタニヤホーム」(2020年)

ベタニヤホーム

3つの理念

bethanyhome’s
mission

1.
生と性の尊重

施設に関わるすべての人の“生と性”を尊重し、安心・安全な環境を提供します

2.
福祉サービスの充実向上

対話を重んじ、社会情勢に応じた専門性を身につけ、福祉サービスの充実・向上に努力します

3.
地域の子育て・子育ちの支援

切れ目のない支援によって、地域に暮らす親子の子育て・子育ちを支えます

施設長メッセージ

子どもにとっての第一集団は家族です。しかし、その家族の中に暴力や貧困があった場合、子どもは享受してしかるべき利益を失います。「母子生活支援施設」は、家庭内の問題や社会的課題の中で取り残され、ともすれば弱者になりがちな母子をまとめて支えることができる、最後の砦だと私は思っています。職員たちは、話し、笑い、怒り、時に泣きながら、母親たちと共に子どもの育て方やこれからの生き方を考えています。

ベタニヤホームは、今から約100年前、母子の命を守ることを第一の柱として作られた施設です。まずは生きていてくれたらそれだけでいい。ベタニヤホームに辿り着いたのならば、これから人生はどのようにも広がっていくという想いです。

2020年の新施設竣工以降は、時代と共に変わる支援ニーズに応えるべく、食支援パントリー事業や、アフターケアの充実などを実施しています。ベタニヤホームの新しい100年を、引き続きご支援いただけたら幸いです。

母子生活支援施設ベタニヤホーム
施設長

伊丹 桂

有事を見据えた
施設づくり

ベタニヤホームの使命は、「利用者の命も職員の命も守る」こと。災害時でもなるべく平時と変わらない生活が送れるよう、ライフラインの停止に備えた対策に重きを置いています。

2020年に改築された新施設には、首都直下地震などの大災害を想定し、さまざまな設備を整えました。屋上には、停電・断水時においても、安定して温かいお湯を供給することができる「熱交換式太陽熱温水器」を設置。災害時に都市ガスが使用できなくなっても、1階キッチンや2階テラスではプロパンガスの使用が可能です。さらに、通信障害発生時には、可動式バッテリーやプロパンガス発電機などで衛星ブロードバンド「スターリンク」を起動し、ネット回線を確保できるよう備えています。

ベタニヤホームで
おこなっている職員研修

ベタニヤホームでは、職員それぞれが支援者としての技量を伸ばすとともに、
支援に向かう意識の向上や、支援者としての心身の安定を目指して、積極的な研修を実施しています。
暮らす人(母子)を支えるために、働く人(職員)たちへ向けた、
ベタニヤホーム独自の取り組みです。

くわしく見る
閉じる

ベタニヤホームで
行われている研修の一例

施設内OJT研修/
施設OFF-JT研修

職場での実践を通じて知識やスキルを身につける「施設内OJT研修」のみならず、一般的な母子生活支援施設では実践されにくい、実務の場を離れ、施設を出て行う「施設OFF-JT研修」も行なっています。「施設OFF-JT研修」には、母子生活支援施設・乳児院・児童養護施設・女性自立支援施設などの実地研修や、チームビルディングを目的とした宿泊ありの「B-Camp」などがあります。

宿泊研修を行うことで、チームビルディングの強化や、離職率の低下につながっています

キャリアアンカー研修

職員の人生において、自らのキャリアを捉えなおし、「どこに錨(Anchor)を打っていくのか」を考える「キャリアアンカー研修」を実施しています。職員それぞれが仕事を続ける上で重視している価値観を明確にすることで、自己理解を通じで自らのキャリアを形成していく基礎になります。

日々続いていく支援の中で立ち止まり、考えるきっかけになるキャリア研修にも力を入れています

防火・防災研修

ベタニヤホームは、震災の被災者保護から生まれた施設という背景があります。そのため、全職員に上級救命講習の受講を義務化し、命を守るための知識と技術を学んでいます。また、母子が施設を出てからも、災害時に平時と変わらない生活を保つことできるようサポートをおこなっています。

母子の部屋に備え付けられている防災リュックとヘルメットは、ベタニヤホーム退所時に贈呈しています

ベタニヤの
フードパントリー

ベタニヤホームでは、ひとり親家庭を中心とした登録制の食支援事業
「フードパントリー」を実施しています。

地域に暮らすすべての人に寄り添いたいとの思いから、2020年より、食支援事業「フードパントリー」を開始しました。

ベタニヤの食支援は、単に食品をお渡しするだけではありません。子どもたちには、絵本や文房具、ぬいぐるみ。お母さんたちには、スタイリストによるコーディネート付きのお洋服や、エステの施術などを用意し、楽しく癒しの時間を提供できたらと思っております。そして何より、多くの方々と、ゆっくり対話ができる場でありたいと願います。

このパントリーのために、たくさんの企業・個人の方々からご支援いただいていることに、心から感謝申し上げます。

フードパントリーへの
ご支援はこちらから

「母子生活支援施設」
とは

母子生活支援施設は、1947年(昭和22年)に制定された、児童福祉法に定められる施設。児童福祉施設の中で唯一、母親と子どもが分離されることなく一緒に生活できるところです。

入居できるのは、18歳以下の子どもがいる、生活困窮、養育困難、家庭内暴力(DV)被害などの理由から支援を必要する母子。このような利用者の特性上、乳児院や児童養護施設と比べると、まだまだ社会的認知が低いのが現状です。

近年、母子生活支援施設は、配偶者のDVからの一時避難場所として、シェルターの側面があるということが取り上げられてきました。一方で、母子を取り巻く課題は暴力や虐待だけに留まらず、たいへん多面的なものになっています。

理由はさまざまですが、社会的養護が必要な母子が多くいるということ、そしてその母子、とりわけ母親がレスパイト(休息)できる場所として、母子生活支援施設が世の中に周知され、より公の場になることを、ベタニヤホームは望んでいます。

お問い合わせはこちら

Contact Us